ネバーランド 新作の不振で落ち込んでいた劇作家、ジェームズ・M・バリは、ある日散歩の途中で、4人の子供を持つ未亡人と知り合う。4兄弟のうち三男だけは父の死のトラウマから抜けられず、子供らしい無邪気さとは無縁だった。バリはこの少年の心をほぐすため、夢にあふれた新作の執筆を始める。それが『ピーターパン』

 しかし、現実の世界では、未亡人一家に入り浸るバリに対する心ない噂が広まり、バリの妻や未亡人の母、劇場主の無理解などがバリの住む現実世界を切迫している。

 「ピーター・パン」の物語には「現実逃避」だという非難がつきものだ。

 モデルになったピーター少年は、実はピーター・パンとは正反対。現実に傷つき、子供らしい想像力を捨てざるを得なかった子供だ。だからこそ、バリは彼にこのファンタジーを与えた。


 実話である。ほぼ、真実の映画化だそうだ。

 子供たちの母親、シルビア役のケイト・ウィンスレットとバリの2人の間のストイックな愛情と情感が、古き良き時代の歴史を感じさせる。

 子供の心を持った大人←バリに扮したジョニー・デップの説得力がなければ、きれいごとに見えてしまったかもしれない。繊細で難しい役どころを、見事にこなしている。

 1903年のロンドンを舞台に、ジョニーは息をしていた。

 余情たっぷりのカメラワークに素直に感動してしまう。美しい田園風景だ。そして猥雑な劇場だ。

 ジョニーは、やはりスゴイ。子役もなかなかだが、ジョニー の上手さが映画に厚みを与えている。

 ・・・余韻・・・


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ハイド   今回はネタバレです。


 ニューヨーク、マンハッタン。平和な家族のはずだったのに、母は自ら命をたった。心理学者の父親デビッドは、精神的に傷を負った娘エミリーを連れて郊外の一軒家に引っ越す。エミリーはそこでチャーリーという友人を作るが、チャーリーは誰の目にも見えない。

 デビッドの目から見たエミリーを描いているので、この視点では人格が壊れているのはエミリーに見える。

 まるでトラウマとなって霊感少女になってしまったような描き方では、悪意の根源はエミリーの心に棲みついていると感じる。

 そして、ラストの衝撃のどんでん返しだ。げっ!

  超大物俳優、ロバート・デ・ニーロと名子役ダコダ・ファニングを配し、これかい!

 配役を知ったときは、とても期待した。だが、しかし! やっちゃいましたね。

 確かに驚きのラストだけれど、それをやっちゃあおしまいよ。。無理矢理ひねりを加えて自滅。ホラーにもミステリーにもスリラーにもなりませんて。

 あまりの事に、終わってからしばらく椅子から立てなかった。

 良い役者を使っていて、これか。。もったいない。なんでこういうストーリーにしたんだろう。フツーのミステリーで良かったろうに。

 デビッドがDID(解離性同一性障害)なわけなんだけど、謎はそれ一つきりで、ガックリ。手あかのついた落ちである。どこかで観たってば。ムカッ。

 ダコちゃんが芸達者でかえって浮いて見えた。演出ミスか。監督がおバカか。薄っぺらく見えたよ~。

 

 久々に憤慨の一作。



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 nasyonaru 人類の歴史の裏で「至高の権力」に受け継がれてきた伝説の秘宝。それが、アメリカ独立戦争中、忽然と消えてしまう。この秘宝の行方を代々探してきたゲイツ家の子孫、歴史学者にして冒険家のベン・ゲイツが、ついに手がかりとなる沈没船を見つける。隠し場所の謎を解くカギが米国独立宣言書の裏面にあると確信、ゲイツは厳重に警備された独立宣言を盗むことに成功する。

 と言うわけで、ニコラス・ケイジがヒーロー役で、暗号の謎を解いたらまた次の謎に挑戦。幾重にも張り巡らされた言葉遊びと、暗号と暗号の間に繰り広げられる派手な逃走と追跡劇が物語を引っぱってゆく。しかし、ディズニー映画の限界、家族で楽しく観る映画は、過激なアクションや描写はない。よって、だんだんと薄っぺらなゲームにつき合わされているような感じになり、感情輸入が出来なくなるのだ。
 今更、手あかのついた1$札のフリーメイソンの秘密もなかろうし。。
 アメリカにテンプル騎士団を持ってくる無理もある。
 見つけた「お宝」が、エジプトからの『盗品』の山、なのも気がそがれる。そんなのが秘宝で良いのか。盗品を見つけて嬉しいのか。。歴史学者が盗品を見つけて金持ちになりたいのか。。つまらん。

『インディ・ジョーンズ』のようなシリーズになるかと思っていたが、限界がすでにあった。歴史の浅いアメリカ本国でやってしまっては無理だったか。
 
 よくも悪くも、ド派手な製作のジェリー・ブラッカイマーの興行師魂、今回は、炸裂せず。う~む。


shall we dance?  何もかも満ち足りた生活をしている弁護士ジョンは、時折空しさを感じていた。そんなときに偶然目に止まったダンス教室と、魅力的な女性。軽いきっかけで始めた社交ダンスだけれど、以外と楽しかった。人生に張りが出てきたようにさえ感じはじめていた。家族には恥ずかしくて言えないけれど、コンテストに参加することにもした。さて…。

 周防監督作品の傑作があるのに、何故にリメイクするのだ。謎。まあ、ハリウッドが絡めばまったく違う作品になってしまうのだが。日本版の、コメディであり身近であり、非日常だった感じがない。草刈民代役を、ジェニファー・ロペスが。。って、唖然。ちがうぞ~! ロペスでは、草刈さんの気品やダンサーとしてのオーラが感じられない。違いすぎる。
 かっこよすぎる満ち足りた生活をしている主人公ではドラマに力がない。リチャード・ギアがダンスをしても、普通でしょ。
 うらぶれたサラリーマンの役所広司がやったからこそ、非日常で興味を持てた、生きたドラマだった。
 笑いも感動も、薄っぺら。アメリカ的ではあるか。。最後は家族愛に持って行くし。
 ん~、イマイチだ。残念。

 どうしても、比べてしまうのだ。別物とわかっていても。同じタイトルつけてるし。
 出来として、周防監督のオリジナルがずっと上。ハリウッド版は観る必要なし。気になるなら、DVDになってからレンタルで観ましょう。それが私の結論。


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Shall we Dance ?(初回限定版)
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エイリアン 強い物同士を戦わせたらどうなるだろう、それは少年の夢だ。それをやってしまったのがこれ。でも、時代が、レベルが違う。一緒にしてはいけなかったのだ。
 南極に不思議なパワーが見つかる。そこには古代のピラミッドがあった。その謎を探るため探検隊が組まれた。しかしそこは、エイリアンが眠る土地であった。そしてそこは、若きプレデターが腕試しのために訪れる戦いの場所だったのだ。
 家畜化したエイリアンなど見たくはなかった。人の心を理解するプレデターなどあってはならなかった。
  最強の者の前で人間は添え物でしかない。「なぜ生き残る」おい!シュワちゃんより、強いのかよー。
 エイリアンが弱すぎるのが腹立たしい。もっと根性出さんかい!と叫びたくなるし、プレデターも動きが鈍い。もっと力出せや!と声援したくなる。こんなん、違う~~!
 しかし、本当に許せないのはエイリアンが家畜同然の扱いを受けていたことだ。そんなに弱いわけない!!
 エイリアン1,2がお好きな方は見ないことをオススメします。が、今回の映画化で、デラックスボックスが出たり、フィギアが出たりしている。ありがたいやら、悲しいやら。
タイトル: エイリアンVS.プレデター 2枚組 特別編 〈初回限定生産〉

 予告とか、観たい映画とか近況とか、読んだ本の事とか、伝言とか何でも良いので書いてください。
 気楽に足跡残して行ってね。

 ニューヨークに向かう途中に祖国でクーデターが起こり、国籍もパスポートも無効になった男・ナボルスキー(トム・ハンクス)。空港警備局からは入国を認めらず、帰国もできない状態になってしまった。仕方なく彼はターミナル内で暮らし始める。やがて仕事をみつけ、恋をし、仲間が出来、9ヶ月たった。。
 そんな無茶な話がと思ったら、実話で、モデルになった人がいるとか。旅券を盗まれたイランの人がパリのドコール空港に長年住んでいるそうだ。

 主人公のトム・ハンクスは、どこまでいってもトム・ハンクスだった。あのでかい顔とでかい身体で、どこから見てもトム・ハンクスだった。
 何処が困った状況の人物なのか。髪が伸びることも、薄汚れることもなく、やつれることもなく時が過ぎ(?)9ヶ月が1週間ほどにしか感じなかった。片言の英語なのにネイティブな発音が出来ていたり、不自然で。
 恋のお相手も、深い心のつながりがなく結局ただの不倫女だったし。
 空港警備局はドタバタしているが、真実味が全くなく、不自然で。
 全然映画の中に入れなかった。面白くもなく、感動もなく、肩すかしを食った感じ。
 これが、スピルバーグでなければ、こうもがっかりしなかったかも。トム・ハンクスでなければ、また違ったかも。
 私はこんなスピルバーグ映画を観たいのではないのである。
 作っている方は楽しそうだと言う雰囲気は伝わってくるのだが、観る方は…。
 軽~く、面白おかしい映画ではあるが、テレビで充分。レンタルで充分。
 巨大な空港のセットを作って、これ、とは。と思いました。

 期待があった分、がっかりして、辛口に書いてしまったが、観て憤慨のあまりしばらく文章のならなかったのは事実。

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公開して大分たったので、評判が聞こえてくる。
 面白くなかった、つまらない、意味がわからなかった、眠たくなった。そういう声も多い。
 一方では、「もののけ姫」などのようにメッセージ性がなくて、暑苦しくなかった。映画を観て説教される気分にならずにすむ作品をようやく宮崎さんが作ってくれた、と賞賛する意見もある。
 両極ですね。こういうインプレッションは自分で観ないとわからないので、心を空にして素直にスクリーンに向かった。
 
 ハウルは街では心臓を食べてしまう魔法使いだと噂があり恐れられていた。ハウルは街の外、動く城に住んでいる。
 父親の帽子店をついで、静かに暮らしていた18歳のソフィーがハウルに出会った。その直後、ハウルを追っていた荒れ地の魔女の恨みをかって、ソフィーは魔法をかけられて90歳の老婆にされてしまう。
 もう街には住めない。ソフィーはハウルの城を目指し、魔法が解ける手段を知るため住み込んでしまう。
 世の中は戦乱の時代で、魔法使いにも招集がかかっていた。ハウルも、戦争に向かうが…。
 弱虫のハウルは戦うことで己を忘れ、悪魔の姿になり、人間に戻りにくくなる。ソフィーの魔法は解けるのか。幸せはあるのか…。

 優しい話だった。
 ソフィーがめげないで、淡々としているところが魅力。老婆になってもそれなりに生活を楽しんでいる。ソフィーのその明るさに引かれて、ハウルの城に寄ってくるモノたちがいる。みんな本当の自分を、自分の居場所を探しているのだ。そして、ハウルの城で、そんなみんなが家族のように暮らし始める。
 
 戦争を背景に描きながらも、叫ばずに反戦を訴えている。愛が一番。大切な人が一番。
 ほほえましいお話。ソフィーは、女性はたくましい。
 そして、ハウルがカッコイイ! 弱いから美しいものにこだわっていたりして、情けない姿も微笑ましい。惚れますな。
宮崎さんのおっしゃる通り、ラヴ・ストーリーでした。

 老婆のソフィーの姿がくるくる変わって、若くなったり年老いたりするので混乱したが、魔法が解けるとき、それは、愛しい人といるときらしいと推察して観た。ハウルと心が通った瞬間、若くなるのね。。

 声の配役についても、賛否あるが、私は気にならなかった。器用な木村氏がはずすはずもなく、納得できなければ宮崎さんがOKを出す訳もないのだから、安心して観ていられた。本当に違和感はなかった。画面に集中出来た。

 でも、映画が終わった後、劇場では「わかんない」との声が。隣の人は、退屈そうにため息の連続だったし。
 今までのように、観てすぐ判る宮崎アニメと少し違う、問題の一作ですね。


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「宮崎アニメ」秘められたメッセージ―『風の谷のナウシカ』から『ハウルの動く城』まで
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 原作はかなり前に書かれた『燃える男』で、残念ながらまだ未読である。話題の本なのでそのうち、と思っている間に先に映画化されてしまった。
 監督のトニー・スコットは20年あまり、その小説を映画化したがっていたそうだ。
 原作と映画の違いはある。時代も変わったので、舞台がイタリアからメキシコにかわっている。
 
 対テロ部隊での仕事を続けてきて、心と体の傷跡を、大量の酒でごまかしていた、クリーシー(デンゼル・ワシントン)は部隊での先輩の紹介で職に就いた。実業家の9歳の娘ピタのボディ・ガードが仕事だ。無愛想なクリーシーを心の底から気に入ったのはピタ。クリーシーも徐々に心を開いて行き、笑える生活を取り戻した。ピタによって新しい命を得たのだ。
 ピタが誘拐された。身代金の受け渡しは失敗した。
 自らも銃弾を受けたが、ピタの死を知らされて、クリーシーは復讐するために立ち上がる。

 力の入った映画だった。さすが、トニー・スコットが暖めていただけある、入魂の一作だ。
 出だしからショッキングな映像と音楽で、ぐいぐいと画面に引き寄せて行く。キレた映像と激しい音楽。観客を現実から引き離した所で、主役達の登場になる。
 デンゼル・ワシントンは、今回も奥の深い演技を見せてくれた。役柄で雰囲気が変わるのは見事。
 しかし、欠かせないのはピタ役のダコタ・ファニングだ。くもりのない少女の美しい瞳とひたむきな演技の前には、どんな名優もかすんでしまう。
 クリーシーとピタが並ぶ映像の美しさは、監督の腕の見せ所か。
 大切なモノを知り、それを奪われた悲しみ。そして怒り。。泣きました。切ないぞー。
 久々に良い映画を観た。ハードボイルドであった。
 
 あ、ミッキー・ロークが出ているので、探しましょう。変わった顔も覚えましたか?
 クリストファー・ウォーケンが、渋い演技で良かった。

 歳の暮れに来て、傑作に出会った。

 宣伝に「レオン」からどうのってある。何故に他の作品を引き合いに出すのだろうか。大いに不満だ。
 タイトルも、原題のままで良かっただろうに。宣伝の切り口と言い、タイトルの付け方といい、イマイチ映画の内容と合っていない。最近こういう映画が多くって、悲しい。本来の映画の良さを消してしまっている。考えて欲しいものだ。
 昔を言っても切ないが、昔の映画の邦題の付け方、上手いのが多かったね。

 

タイトル: マイ・ボディガード プレミアム・エディション